不登校とは
文部科学省の調査で、「不登校児童生徒」とは『何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの』と定義されています。
つまり、不登校は「学校嫌い」ではありません。
まずは「不登校」についてと、「今の状態」を正しく知ることが大切です
平成25年の調べでは、中学生がダントツで95,442人(全生徒の2.7%)、小学生が24,175人(0.4%)、高校生が55,655人(1.7%)で合計17万5272人の不登校生がいます。
人数はわずかに減少しているようですが、全体の生徒人口も減ってきているので、その比率は大きく変化がありません。
この比率を日本の労働人口に比べてみると、不動産業1.9%、金融・保険業2.3%、情報通信業3.2%となり、将来とても大きな存在になる可能性であることがわかります。
※高校生の不登校実態調査は、平成16年に始まったばかりです。
そもそも、不登校とはどのようなものなのでしょう・・・
学校という集団社会の中で、周囲の人と一緒に過ごしていくことに摩擦や違和感を感じ、その症状としての行動が『不登校』ということになります。
『不登校』と『引きこもり』はよく一緒に考えられがちですすが、きちんとした違いがあります。他にも『家庭内暴力』『依存』『非行』『自傷行為』などは、同じような社会への対応の摩擦による症状といえますが別のものです。
しかしこれらの症状と原因が共通する部分が多いので、そのままにしていると他の症状を併発してしまうこともあります。
不登校に陥る2つの理由
不登校になる理由は人それぞれです。
しかし大きな要因は『不登校になりやすい素質』と『不登校を引き起こす原因』に分かれます。
例えば、「生まれ持った気質」や「身体や気持の特性」が素質に、「現在の生活環境」「時代の変化」「現在の人間関係」が引き起こす原因に挙げられます。
私どもは多くの方に「原因追及」は不登校の解決につながることが少ないことをお伝えしています。それは「引き起こす原因」に意識が集中していることが多いことと、仮に「素質の要因」を探して『あの時こうすれば良かった』と思っても過去を変えることはできないからです。
なので、結局のところ原因を特定しても解消しないことが多いのです。
それに、これまでの生活は、誰もが精一杯の努力をしてきた結果です。この先を見据え、できることを取り組んでいくことが何よりも大切です。